真空管アンプの自作にあたっては、メーカーから公表されている真空管のデータシートにあるEp-Ip特性グラフをもとにロードラインを引いて組み上げるのが一般的だと思いますが、いざ完成させてみると、どこもミスってないのに想定よりパワーが出ないとかやたらと歪みが多いとかいったことが頻繁に起こります。というか、想定通りのデータが得られるほうが珍しいと言っていいのでは。 なぜこうした乖離が起きるのかというと、Ep-Ip特性グラフにはほぼ必ず「AVERAGE PLATE CHARACTERISTICS」の表題が付けられているように、グラフのデータはあくまで「平均・標準的な」ものであって、「1本1本がちゃんとこうなってますよ」と保証するものではないからです。 後生大事に使っている球たちの本当の素顔は一体どんなものなのか、ペアとして相性が一番良いのはどれとどれなのか、見切りを付けてお蔵入りさせた球たちはどこに問題を抱えているのか。それらを詳しく知るには、どうしても1本1本のEp-Ip特性などを把握しないと始まりません。試行錯誤を繰り返してなんとか実用になる真空管カーブトレーサーを自作し、個体ごとの諸特性を実測したのが以下のデータで、何らかの参考になれば幸いです。 ◇◆ Ep-Ip特性と3定数の実測真空管一覧 ◆◇
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